連鎖する生き物。

(久しぶりに辻さんの文章にふれたので、印象に残った箇所など。)


連鎖する生き物〜桜井君への手紙〜(辻仁成『別冊カドカワ』より抜粋)


(パリまで)友達が、「タガタメ」という詩をメールしてきた。〜。
みんな世界は一つだって、歌うけど、ぼくはそう思わない。〜。
ぼくがいて、君がいて、世界があるんだ、それは一つではない。
でも、お互いをちゃんと認め合うことができれば、つながったような
気持ちになるだろう。大事なのは、一つと決め付けることでなくて
そっちの方だ。
タガタメという詩を読み終えてこんなことを思った。
同時に、ぼくにはその日本語からメロディや演奏やアレンジや、
そして君の歌声が聞こえてきた。会ったことはないけれど、
あるいはそういう人とも、こうやって出会うことはできる、と知った。
限りない可能性が世界にはまだあることも、忘れてはいないつもりだ。
〜。


僕は時々、意味もなく感謝することがある。
ぼくのようなどうしようもない人間につきあってくれている
家族や、周囲の人々に。
あるいは、もういまは付き合いがないけれど、かつては、喧嘩するくらい
仲が良かった人々に、対して。
ぼくが、ぼく一人の力で生きてはいなかったことを思い知らされている。
何者でもない、たった一人の人間であることに、気がつき
この世界でこうやって生きることを許されていることにも、
感謝せずにはおれない。意味もなく。
そうだ、意味ある世界で意味もなく。〜。


桜井君とはいつかどこかで会う機会があるのかも、そのとき、
またこの続きを話すよ。でも今は、この同じ星の上で、同じ空気と
時間を持っていることを素直に喜ぼう。〜。






私も辻さんのように、感謝するときがあります。
天気の良い気持ちのよい日に、歩いていて、ふと
自分が存在できていることに感謝することも...。
そして、日々がいとしく思えます。
あなたにお会いできてさらにそう思えます。



リアルタイムではないのだけれど
エコーズの曲は青春(笑)
その詩に救われたことは事実。
辻さんには言葉の大切さも教わったなあ。
その辻さんが、タガタメについて
書かれたことは、パンダには感慨深いことです。



Special thanks to...